「表題登記」と「表示に関する登記」の違いをやさしく解説
不動産登記には「権利に関する登記」と「表示に関する登記」があります。
本稿では、混同しやすい 表題登記と表示に関する登記(表題登記を含む広い概念)の違いを、定義・具体例・実務の流れで整理します。

まずは結論
- 表題登記:土地・建物の登記記録の表題部を初めて作る登記。これまで登記が無い不動産に対して行う「最初の登記」。
- 表示に関する登記:表題登記を含みつつ、表題部の内容を変更・更正する一切の登記の総称(地目変更、地積更正、分筆・合筆、建物の種類・構造・床面積変更、滅失 など)。
登記が存在しない不動産に最初に載せる=表題登記、載せた後に正しい内容に保つための更新=表示に関する登記です。
定義と対象
表題登記(初めての登記)
表題登記では、土地であれば所在・地番・地目・地積、建物であれば所在・家屋番号・種類・構造・床面積の表示など、登記記録の「表題部」を新規に作成します。
- 土地の例:海面の埋立で新しく土地が生じた、国有地の払下げで初めて民有地になった 等
- 建物の例:新築建物を完成した(これまで登記のない建物)
表示に関する登記(維持・更新の登記)
一度表題登記をした後、現況に合わせて表題部の記載を正す登記の総称です。主なものは次のとおり。
ケース別・どの登記か早見表
| 行う登記 | ポイント |
|---|---|
| 土地の表題登記 | 初めて表題部を作成 |
| 建物の表題登記 | 完了後に所有権保存登記へ |
| 分筆登記 | 新しい地番が付くが、これは「表題登記」ではなく表示に関する登記 |
| 合筆登記 | 権利関係・地目・地積等が要件を満たす必要 |
| 地積更正登記 | 適正な測量図と根拠資料が必要 |
| 地目変更登記 | 利用状況の客観性(恒常的な利用)がポイント |
| 表題変更登記 | 建築確認済証・完了検査等の実務資料を参照 |
| 建物滅失登記 | 解体証明・写真等の疎明資料が必要 |
新規から権利登記までの基本フロー
- 表題登記(最初の登記)…土地・建物の物理的状況を登記記録へ。
- 所有権保存登記(権利の登記)…所有者の権利を権利部に記録。
- 表示に関する登記(必要に応じて)…地目変更、地積更正、分筆等で表題部を最新化。
なお、共有持分の売買・抵当権設定などは権利に関する登記であり、表示に関する登記とは別系統です。
よくある混同・注意点
- 分筆後に新しい筆が生まれても「表題登記」ではない:分筆は既存の登記を分ける手続であり、分類上は表示に関する登記です。
- 現況と登記が食い違うと実務で支障:売買・融資・建築確認では最新の表題部が前提。表示に関する登記での適時更新が重要。
主な必要書類(代表例)
- 土地の表題登記:境界・地積に関する測量図、筆界確認に関する資料 等
- 建物の表題登記:建築確認関係書類、図面(平面・立面)、写真 等
- 地積更正・分筆:現況測量図、境界確認書 等
- 地目変更:利用状況が分かる資料(写真・契約書・課税資料 等)
- 表題変更・滅失:完了検査や解体証明、現況写真 等
まとめとご相談
表題登記は「最初の登録」、表示に関する登記は「その後の更新」という役割分担です。
売買・融資・建築・相続の前後で 表題部の最新化が必要かどうかは案件ごとに異なります。
タケキヨ測量登記事務所では、調査→測量→図面作成→申請までワンストップで対応します。
ご相談・対応エリア
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