合筆登記のメリット・デメリットと注意点

隣り合う複数の土地を「1筆」にまとめて管理を楽に――相続整理・活用前に検討したい方へ。

合筆登記とは?

合筆登記は、隣接している複数の土地(筆)を一つにまとめる登記です。

地番が統合され、以後は1筆として管理・取引ができます。

相続財産の整理、活用計画の事前整備、管理の簡素化などで選ばれることが多い手続きです。

合合筆登記が出来ない事もあります

合筆登記はどのような土地でも必ず合筆ができるわけではありません。

このような場合は合筆が出来ないことになっています。

  • 相互に接続していない土地
  • 地目または地番区域が異なる土地
  • 表題部所有者または所有権登記名義人が異なる土地
  • 表題部所有者または所有権登記名義人の持分が異なる土地
  • 所有権の登記がある土地と所有権の登記がない土地の合筆
  • 所有権以外の権利に関する登記がある土地の合筆

上記は代表例です。合筆登記ページでも関連手続きを解説しています。

合筆登記のメリット

  1. 管理がシンプルに:地番・筆が一本化され、名義・納税・書類管理が分かりやすくなります。
  2. 活用計画の自由度:一体の宅地として設計・建築計画を立てやすくなる場合があります(用途地域などの法規制は別途確認)。
  3. 登記・書類のやり取りが減る:相続や贈与、各種申請の事務負担が軽減。
  4. 表示の整合性:実態の一体利用に登記を合わせることで、権利関係の説明が明瞭に。

※固定資産税の税額は、通常、合筆の有無で大きくは変わりません(評価額の合計に基づくため)。自治体の取り扱いは個別にご確認ください。

デメリット・注意点

  1. 将来の分筆で手間・費用が再発:再度分けたいときは分筆測量・登記が必要です。
  2. 権利調整が必要:抵当権・賃借権・地役権などの設定が筆ごとに異なると合筆不可や調整コストが発生。
  3. 売却の柔軟性低下:一部だけ先に売りたいケースでは、合筆後は区分のやり直しが必要。
  4. 境界不明確だと止まる:不確かな境界がある場合、確定測量や近隣立会いが必要になり、期間・費用が増加します。
  5. 地目の不一致:先に地目変更が必要なケースでは工程が増えます。

向いているケース/向かないケース

向いているケース

  • 相続整理で複数筆を一体として管理したい。
  • 一体利用が続く見込みで、売却もまとめて行う可能性が高い。
  • 建築・開発のために筆をまとめておきたい(法規の適合は要確認)。

向かないケース

  • 筆ごとに担保設定や賃貸借などの権利関係が異なる。
  • 一部のみ売却する可能性が高い(将来分筆の確度が高い)。
  • 境界が未確定・不明確で近隣調整に時間を要しそう。

手続きの流れ・期間・費用の目安

  1. 事前調査:登記記録・公図・図面・権利関係の確認。
  2. 現地確認:必要に応じて現況/確定測量、近隣立会い、境界標の復元。
  3. 要件整備:地目の統一、権利関係の調整。
  4. 申請書類作成・申請:合筆登記の申請(法務局)。
  5. 完了・記録確認:新しい地番での登記事項を確認、資料を保管。

期間の目安

  • 測量・近隣立会いが不要な軽微案件:3〜4週間程度
  • 確定測量や権利調整が必要:3〜4か月以上(規模・状況で変動)

費用の目安(参考)

  • 合筆登記の申請代行:5万〜15万円前後
  • (必要時)現況/確定測量・立会い・図面作成:30万〜80万円以上(筆数・面積・隣接地数・資料の有無で大きく変動)

※上記は一般的な目安です。現地状況・資料の整備度・関係者数によって大きく変わります。無料見積で具体額をご提示します。

必要書類チェックリスト

  • 本人確認書類(運転免許証 等)
  • 委任状(当事務所に申請を委任する場合)
  • 登記識別情報/権利証
  • 公図・地積測量図・各種図面(お持ちであれば)
  • 固定資産税関係書類(納税通知書 等)
  • (必要時)境界確認書・立会い記録

よくある質問

Q1. 共有名義の土地でも合筆できますか?

A. 可能です。ただし共有者の構成・持分割合が完全に一致していることなど、要件の充足が必要です。

Q2. 地目が異なる筆はどうなりますか?

A. 原則として地目を統一してから合筆します。たとえば雑種地と宅地が混在する場合は、先に地目変更登記を行います。

Q3. 合筆後の地番はどう決まりますか?

A. 合筆により一つの地番に統合されます。どの番号を残すかは申請や法務局の運用によります(一般に小さい番号が残ることが多いです)。

Q4. 合筆すると売却がしにくくなりますか?

A. 合筆後も分筆すれば一部売却は可能ですが、その都度測量・登記が必要になり、期間と費用がかかります。売却計画が明確なら、先に配置・区割りを検討しましょう。

まずは無料相談で「やるべきか」を判定

同じ「合筆」でも、境界・権利・地目・将来計画によって最適解は変わります。

当事務所では、要件判定/最短ルートの段取り/概算費用・期間を無料でご案内します。

  • 現状ヒアリング(お電話可)
  • 必要な測量の有無とスケジュール感
  • 権利関係の整理ステップ(必要時)

関連ページ:土地の登記土地の測量

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タケキヨ測量登記事務所は境界確定/表題・滅失登記/地積更正・地目変更/現況・確定測量などの業務を対応している千葉県船橋市の土地家屋調査士事務所です。相続や売買、建築前の境界の不明確さや不動産登記でお困りならご相談ください。

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※本記事は一般的な解説です。個別案件では最適な手続きが異なります。必ず専門家へご相談ください。

※本記事は一般の方向けの情報提供です。専門用語の簡略化等により、厳密な法的記載・表現と異なる場合があります。

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