尺貫法(しゃっかんほう)とは?──不動産・建築でまだ役立つ“古い単位”をやさしく解説

不動産広告で見かける「坪(つぼ)」、大工さんが口にする「尺(しゃく)」「間(けん)」。

これらは日本の伝統的な単位体系「尺貫法」です。

本記事では、測量・登記では必須のメートル法を前提にしつつ、現場で今も使われる尺貫法をわかりやすく整理します。

尺貫法の基礎知識

尺貫法は、長さ(尺)・重さ(貫)・容積(升)などからなる日本の伝統単位です。

現在は原則としてメートル法の使用が定められていますが、不動産の面積を「坪」で見たい木造の寸法感を「尺・寸」で把握したいといった実務上のニーズから、補助的に参照され続けています。

長さの単位と換算(尺・寸・分・間)

単位関係メートル法の目安
1尺(しゃく)基準約 0.303 m(= 30.3 cm)
1寸(すん)1/10 尺約 0.0303 m(= 3.03 cm)
1分(ぶ)1/10 寸約 0.00303 m(= 3.03 mm)
1間(けん)6 尺約 1.818 m
  • 尺 → m:尺 × 0.303 ≒ m
  • m → 尺:m × 3.3 ≒ 尺

面積の単位と換算(坪・畳)

不動産で最も馴染みがあるのが坪(つぼ)です。定義上は1坪 = 1間 × 1間で、メートル法では次の通りです。

単位関係メートル法の目安
1坪1間 × 1間約 3.305785 m²
1畳(じょう)1/2 坪約 1.652893 m²(地域差あり)
  • 坪 → m²:坪 × 3.305785 ≒ m²
  • m² → 坪:m² × 0.3025 ≒ 坪

※畳の実寸(京間・中京間・江戸間など)は地域・住宅仕様で異なります。上表は登記や不動産実務で使う一般的な換算値です。

体積(容積)の単位と換算(合・升・斗・石)

住宅実務では頻度は高くありませんが、生活の場では今も見かけます(米びつの「合」など)。

単位関係リットル換算の目安
1合(ごう)基準約 0.18039 L
1升(しょう)10 合約 1.8039 L
1斗(と)10 升約 18.039 L
1石(こく)10 斗約 180.39 L

登記・契約ではメートル法が原則

重要:不動産登記・売買契約・行政手続きなどの公的な場面ではメートル法表記が原則です。

広告等で坪を併記する場合も、m²の表示が基準となります。

実務では坪・尺を補助的に参照しつつ、最終的な申請・図面・契約はメートル法で整合させます。

すぐ使える早見表と計算例

(1)面積の目安

  • 30坪 ≒ 30 × 3.305785 = 約 99.17 m²
  • 100 m² × 0.3025 ≒ 約 30.25 坪

(2)長さの目安

  • 6尺 = 1間 ≒ 1.818 m
  • 3尺0.909 m(910mmモジュールの由来)

境界・測量・登記のご相談

坪・尺で受け継がれた図面や資料も、登記実務ではメートル法に整えていく作業が欠かせません。
「坪をm²に直したい」「古い図面を現況に合わせたい」「境界を確定してから売却したい」など、お困りごとはお気軽にご相談ください。

よくある質問

不動産広告の「坪」と登記簿の「m²」が微妙に違うのはなぜ?

坪→m²の換算は1坪 = 約 3.305785 m²ですが、広告では概数で計算・丸め処理をしている場合もあります。登記・契約はm²が基準なので、最終判断はm²の数値で行うのが安全です。

古い図面に「間」や「尺」で寸法が書かれています。現況図に直せますか?

可能です。旧来の寸法を読み解きつつ、現地測量(現況測量・必要に応じて確定測量)を実施し、最新のメートル法の図面に整えます。

登記や契約で「坪」だけの表記は認められますか?

原則としてメートル法(m・m²・m³)が必須です。補助的に坪を併記することはあっても、m²が基準となります。

ご相談・対応エリア

タケキヨ測量登記事務所は境界確定/表題・滅失登記/地積更正・地目変更/現況・確定測量などの業務を対応している千葉県船橋市の土地家屋調査士事務所です。相続や売買、建築前の境界の不明確さや不動産登記でお困りならご相談ください。

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※本記事の換算値は実務上一般的な目安です。厳密な設計・登記・契約では、現地測量・公式資料・最新法令に基づき確認してください。

※本記事は一般の方向けの情報提供です。専門用語の簡略化等により、厳密な法的記載・表現と異なる場合があります。

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