境界標が破損・亡失したときの正しい対処
境界標(コンクリート杭・金属標)は、あなたの土地と隣地を分ける客観的な目印です。
万一、破損・亡失・傾きが起きたら、まずは動かさない/勝手に設置しないことが大原則。
トラブルを防ぎながら、正しく復元する手順を解説します。

境界標の役割と、失うと何が困る?
境界標は、測量で特定した筆界の位置を現地に示す物理的な目印です。
これが破損・亡失すると、 境界の位置が曖昧になり、将来の売買・建築・相続・外構工事でトラブルを招きます。
「見当で置き直す」「仮に杭を打っておく」といった独断は、新たな紛争の火種になります。
まずやること/やってはいけないこと
やること(初動対応)
- 現況を写真で記録(近景・中景・遠景、周辺の不動の目印と一緒に撮影)
- 最近の工事・重機の出入りの有無をメモ(日時・業者名・作業内容)
- 土地家屋調査士に相談
やってはいけないこと(NG)
- 自分で杭を移動/新設(位置が違えば無用の紛争)
- 隣地に無断で作業(境界付近の掘削・打設はトラブルのもと)
- 根拠なしの「ここが境」と主張(感覚・昔の記憶だけはNG)
復元の基本フロー
- ヒアリング:亡失状況・目的(外構・売買・建築)・納期を確認
- 資料調査:公図・地積測量図・過去の境界確認書 等の収集
- 現地測量:既知点の確認→周辺既存杭の観測
- 近隣立会い:復元位置案を提示し、現地確認
- 境界標の復元設置:コンクリート杭・金属標等、用途に合わせ選定
※現地復元性のある図面がない場合は、境界標の復元が困難であり、「確定測量」を行う必要があり、多くの場合で「確定測量」が必要になります。
復元に必要な資料
- 地番がわかるもの(固定資産税通知書・権利証 等)
- 法務局の公図・地積測量図、自治体の道路境界画定図など
- 過去の境界確認書
- 破損前後の写真(あれば)
隣地所有者と立会い現地確認
復元は一方的に決めず、隣地所有者の立会いで位置を確認するのが基本です。
費用・期間の目安
規模・筆数・過去資料の充実度・隣接地立会の難易度で変動します。目安(戸建て一筆想定):
- ポイント復元+標識設置(既存資料が十分):
おおむね 8万〜20万円 程度 - 確定測量(全辺)+立会い+成果図(既存資料が不十分):
おおむね 40万〜60万円 程度
納期は、資料取り寄せと立会い日程調整を含めて2週間〜数か月が一般的です(規模により前後)。
登記は必要?不要?
境界標の復元自体に登記申請は通常不要です。
ただし、面積に誤差があり是正する場合は 地積更正登記が必要になることがあります。
分割・統合を伴うなら 分筆/合筆登記を検討します。
よくある質問
-
自分で杭を買って打ち直してもいい?
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位置が誤っていると紛争の原因になります。必ず資料調査→測量→立会い→復元の順で。土地家屋調査士への相談を強くすすめます。
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どんな境界標にするのが良い?
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車両の乗り入れや外構計画を踏まえ、コンクリート杭・金属標・鋲等を選定します。
まとめ
- まず動かさない・勝手に設置しない。写真と情報を記録
- 資料調査→測量→立会い→復元が基本。将来のトラブルを未然に予防
ご相談・対応エリア
タケキヨ測量登記事務所は境界確定/表題・滅失登記/地積更正・地目変更/現況・確定測量などの業務を対応している千葉県船橋市の土地家屋調査士事務所です。相続や売買、建築前の境界の不明確さや不動産登記でお困りならご相談ください。
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※本記事は一般的な解説です。個別案件では最適な手続きが異なります。必ず専門家へご相談ください。
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