表示に関する登記を怠ったらどうなる?──申請義務・期限・過料までやさしく解説

土地・建物の「物理的な情報」を公に記録するのが「表示に関する登記」です。

新しく発生した不動産や、現況に変化があったときには 所有者等に申請義務があり、怠ると過料の対象になります。

本稿では、対象となる手続・期限・過料の目安と、未了時の対処をまとめます。

要点まとめ(まずはここだけ)

  • 表示に関する登記は、不動産の現況を正確・迅速に公示するための制度。
  • 対象となる主なケースは、新しい土地・建物が生じたときや、地目・地積・構造・床面積などが変わったとき
  • 多くの手続は「取得の日・変更の日から1か月以内」が申請期限。
  • 申請義務を怠ると、10万円以下の過料(不動産登記法164条)。
  • 実地調査を拒否・妨害、虚偽書類の提出などは、30万円以下の罰金等(29条2項・162条)。

なぜ「表示の登記」に申請義務があるのか

表示に関する登記は、権利の客体である不動産の現況を正確に公示する制度です。
現物と登記記録の内容が一致していることは、売買・相続・融資など経済的取引の安全と円滑に直結します。

そこで法は、一定の事由が生じた場合に所有者等へ申請義務を課し、速やかな公示を求めています。

申請義務が課される主な手続と期限

(括弧内は典型的な申請期限の目安です。個別事情や法改正により異なることがあります。)

  1. 土地の表題登記:公有水面の埋立等で新たに土地が生じたとき(取得の日から1か月以内)
  2. 地目の変更登記:雑種地→宅地など利用目的が変わったとき(変更の日から1か月以内)
  3. 建物の表題登記:新築したとき(取得の日から1か月以内)
  4. 表示の変更登記(建物):構造・種類・屋根・階数・床面積などが変わったとき(変更の日から1か月以内)
  5. 建物滅失の登記:火災・取壊し等で建物が消滅したとき(滅失の日から1か月以内)

期限を過ぎている場合でも申請は可能です。早めの是正が過料リスクの軽減につながります。

義務違反時の扱い(過料・罰金)

1) 申請義務そのものを怠った場合

  • 登記官が未登記を見つけると、申請義務者へ催告(準則63条)。
  • それでも申請しない場合は、10万円以下の過料(不動産登記法164条)。

2) 調査協力を拒否・妨害した場合など

  • 実地調査の拒否・妨害:30万円以下の罰金等(29条2項)。
  • 虚偽の書面提出・虚偽陳述:30万円以下の罰金(162条)。

期限を過ぎてしまったら──3ステップで是正

  1. 事実の確定:変更・新築・滅失などの発生日を整理。根拠資料(工事完了届、解体証明、航空写真・公図、住民票の移動日など)を確認。
  2. 測量・調査・図面作成:土地は必要に応じて現況確定測量、建物は現況調査・床面積算定・各階平面図等の作成。
  3. 登記申請:必要書類を整えて法務局へ。未了期間が長い場合は、事情説明書を添付すると円滑です。

よくある質問

1か月を過ぎています。必ず過料になりますか?

必ずではありません。過料は「最終的に催告にも応じない」など悪質・長期の未了時に検討されるのが通常です。 速やかに申請準備へ進みましょう。

自分でできる?それとも専門家に依頼すべき?

地目変更や建物滅失など比較的軽微な案件はご自身でも可能ですが、地積更正境界確定新築の表題登記は 測量・図面作成・隣地立会い等が伴うため、土地家屋調査士への依頼が安全・確実です。

お困りのときは

「どの登記が必要?」「期限を過ぎたけど大丈夫?」といったご相談に、当事務所が 最短の手順と概算費用をご提示します。
測量・図面作成・立会い・申請まで、ワンストップで対応します。

ご相談・対応エリア

タケキヨ測量登記事務所は境界確定/表題・滅失登記/地積更正・地目変更/現況・確定測量などの業務を対応している千葉県船橋市の土地家屋調査士事務所です。相続や売買、建築前の境界の不明確さや不動産登記でお困りならご相談ください。

千葉県:船橋・市川・習志野・鎌ヶ谷・白井・八千代・千葉・松戸・柏・我孫子 ほか

※本記事は一般的な解説です。個別案件では最適な手続きが異なります。必ず専門家へご相談ください。

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