相続人は亡くなった方の不動産に「表題登記」を申請できる?
「家や土地が未登記のまま所有者が亡くなった…どう手続きすれば?」という方向けに、相続人が表題登記を申請できるのか、何を用意すればよいかをやさしく整理しました。

まず「表題登記」とは?
表題登記は、不動産の「権利」ではなく物理的な情報(所在・地番、地目、地積/家屋番号、種類・構造・床面積 など)を登記簿に初めて載せる手続きです。
新しく土地ができた、家を新築したのに未登記…といったときに行います。
結論:相続人が自分の名義で表題登記を申請できます
亡くなった方(被相続人)が表題登記の申請義務を負ったまま亡くなった場合、相続人は自分の名義で表題登記を申請できます。ポイントは次のとおりです。
- 未登記の不動産の現況を正しく公示するため、相続人が申請者になれる。
- 遺産分割がまとまっていないときは、法定相続分で相続人全員の共有名義で表題登記する方法が一般的。
手続きの流れ(相続人が申請する場合)
- 相続関係の確認:被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍・住民票を集める。
- 不動産の現況確認:所在地・地番や家屋の有無、面積・構造などを調査。必要に応じて測量や建物の現地確認。
- 図面・資料の作成:土地なら地積測量図(または現況測量図)、建物なら建物図面・各階平面図を用意。
- 所有権を証明する資料の収集:遺産分割協議書、建築確認・検査済証、工事請負契約書、固定資産税関係資料など(後述)。
- 申請書作成・提出:相続人名義または相続人全員共有名義で表題登記を法務局へ申請。
- 補正対応・完了:法務局から照会があれば資料を追完し、表題登記が完了。
期間は、必要資料の集まり具合や測量の有無で変わります。書類収集が早いほどスムーズです。
必要書類チェックリスト
① 相続関係を示すもの
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍
- 相続人全員の戸籍・住民票
- ある場合:遺産分割協議書(まとまっていない場合は法定相続分で共有申請)
② 所有権の取得・存在を証明するもの(例)
- 土地:固定資産評価(課税)証明書、売買・贈与等の契約資料、官公署の証明など
- 建物:建築確認通知書・検査済証、建築請負契約書・引渡書、固定資産税の課税資料、売主・施工者の所有者証明など
③ 図面等
- 土地:地積測量図
- 建物:建物図面・各階平面図
④ その他
- 委任状(専門家に依頼する場合など)
- 本人確認書類
よくあるつまずきと対処法
遺産分割がまとまらない いったん相続人全員の共有名義で表題登記し、その後の遺産分割で持分移転(権利登記)を行う方法が現実的です。
建物の確認済証や古い資料がない 施工者や売主の証明書、固定資産税関係資料、長年の使用実態がわかる資料で代替できる場合があります。
何から始めれば良いかわからない 戸籍類の収集と不動産の現況確認(所在地・地番・面積・構造)から着手すると、全体像が見えます。
期間と費用の目安
戸籍・資料の収集、測量や図面の要否で大きく変わります。
目安:数週間〜数か月。費用は物件の規模・資料の有無・測量の難易度で変動するため、個別見積りをご利用ください。
FAQ(よくある質問)
Q. 表題登記と相続登記は同じですか?
A. 別の手続きです。表題登記は「不動産の現況」を載せる手続、相続登記は「相続人への名義変更(権利)」の手続きです。
Q. 表題登記はいつまでにやるの?
A. 原則は取得や完成から1か月以内。未登記のまま長期間放置すると、売買・相続・融資の場面で不都合が出ます。
Q. 測量や図面は必ず必要?
A. 不動産の種類や状態により必要書類が変わります。土地は測量図、建物は建物図面・各階平面図が基本です。
まとめ:迷ったら早めに相談を
未登記のまま相続が起きても、相続人が自分名義(または共有)で表題登記を申請できます。
まずは戸籍類と現況資料の収集から始め、必要に応じて専門家へご相談ください。
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