土地の地目は「現況主義」!登記簿と違う場合は?
はじめに:登記簿と実際の土地の様子、違っていませんか?
ご自身の土地の登記簿謄本(登記事項証明書)を見たとき、「現在の使い道と違う種類(地目)が書かれている」と疑問に思ったことはありませんか?
例えば、「昔は畑だったけれど、今は家が建っているのに、登記簿上は『畑』のままになっている」といったケースです。
実は、土地の使い道を表す「地目(ちもく)」は、所有者の希望で自由に決められるものではなく、実際の土地の使われ方(現況)によって決まるというルールがあります。
今回は、この「現況主義」と呼ばれるルールについて、分かりやすく解説します。

土地の地目は「現況主義」で決まる
現況主義とは?
土地の地目は、登記簿の表示が絶対ではなく、「今現在、その土地が物理的にどういう状態なのか」という客観的な事実に基づいて認定されます。これを専門用語で「現況主義」と呼びます。
不動産の登記は、その土地の現在の正しい状態を記録して世の中に知らせる役割があります。そのため、形式的な書類上の情報よりも、実際の状態(現況)が優先されるのです。
登記簿に書かれている地目が全てではない?
過去の裁判でも、「ある土地が農地かどうかは、登記簿の記載に関わりなく、客観的な現況によって決めるべき」とされています。
つまり、「登記簿にこう書いてあるから」といって、それが現在の本当の地目であるとは限らないということです。土地の利用状況は日々変化するため、登記官(法務局の担当者)は、部分的な状況だけでなく、土地全体の利用目的などを総合的に観察して地目を決定します。
例外あり!簡単に地目変更できない土地
「現況主義なら、勝手に違う使い方をしても、後から変更の手続きをすればいいの?」と思われるかもしれませんが、そう簡単にはいかない土地もあります。
- 農地(田・畑)の場合
日本の食料生産を守るため、農地は法律(農地法)で厳しく守られています。そのため、農地を農地以外のもの(例えば宅地や駐車場)にする場合は、事前に農業委員会の許可(農地転用許可)等が必要です。勝手に家を建ててから「現況が変わったから」と申請しても、許可がなければ地目の変更は認められません。 - 保安林の場合
土砂崩れを防ぐなどの目的で指定された「保安林」も特別です。保安林から別の地目に変更するには、まず保安林の指定を解除する行政手続き(農林水産大臣等の指定解除)が必要となります。
まとめ:地目の変更は専門家にご相談を!
土地の地目は「現況主義」が原則ですが、土地の利用目的や全体的な状況を総合的に見て判断されるため、自己判断での用途変更は思わぬトラブルの元になりかねません。
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